前回の続きになりますが、
私達は遺伝子組み換えやゲノム編集作物に対して、一方的に否定をするつもりはありません。
今回は少し難しい内容ですが、
遺伝子組み換えやゲノム編集のメリットについても触れていき、それを踏まえて私達の思いを書きたいと思います。
遺伝子組み換えとゲノム編集の違いは
従来の遺伝子組み換え生物の場合…
細胞に外来の遺伝子を挿入して、新しい性質を持たせること
ゲノム編集生物の場合…
その生物がもともと持っていた遺伝子を切ったりつなげて編集し、元の性質を変化させること
様々な意見がありますが、技術は違っても、
遺伝子操作を行うと言う点から、これらは同じであると考えます。
この遺伝子技術の発展によって生まれるメリットは沢山あります。
一つは作物の安定した収穫量が見込めることで、
飢餓や食糧危機など、不測の事態から人類を救うことができること。
ですが、日本には食品ロスが問題視されるほど、食糧が有り余っています。
ですので、日本ではそもそも遺伝子操作までして大量の作物を作る必要はないと思っています。
ただ、それ以外にも様々なメリットがあります。
例えば、グルテンを入れ替えた小麦を作ったり、稲から花粉症を誘発する遺伝子を取り除いたりすることで、アレルギーを起こしにくくする…
または、緑黄色野菜に含まれるビタミンAを添加した米を作ることによって、途上国の子供の栄養不良を補うなど…
こうした技術の進歩が社会の課題解決を担う事ができるかもしれない…そう言った事から、
遺伝子組換え食品を認めざるを得ない…と言う思いもあります。
なので、一方的にこれらを否定するつもりもありません。
何が安全か…というのは人によってそれぞれです。
ですが、自然生物を人間の都合によってコントロールし、どこまでも支配しようとすることに私達は疑問を感じています。
そして、これまで遺伝子組み換え作物やゲノム編集作物によって人体に与える健康被害の可能性が多く挙げられていますが、
実際には、すべてが研究段階で
〝よく分かっていない〟
と言うのが、今の現状なのです。
けれども、この〝よく分かっていない〟現状において、
十分な安全性が確認されるまでは、それらを私達が選べる選択肢だけは残しておいてほしい
と思うのです。
ですが、今の日本では、
その選択肢が消費者側にない、
と言うことに問題を感じています。
遺伝子組み換え作物は、
実は国内での栽培も許可はされているのですが、2021年11月時点ではありません。
遺伝子組み換え作物は、
現時点ではすべてが輸入された農産物です。
ですが、いずれこのような作物が国内で栽培される事を想定すると、タネの時点で見分けがつかなくなるため、それらを避けて食材を選ぶという事が実質的にできなくなります。
このような事態を少しでも解決したいとの思いから、OKシードプロジェクトの思いに賛同し、納豆麹にも『OKシードマーク』の認証を頂くことになりました。
『OKシードプロジェクト』は、
遺伝子組み換え作物には表示義務があるのに対して、ゲノム編集作物には、その表示義務がない事から、食品流通の全ての過程で、どれが遺伝子操作されているのか、農家さんや市民の知る権利を守るために立ち上がったプロジェクトです。
皆さまの〝安心〟の目印にして頂けましたら幸いです。
つづく…
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